透明水彩絵の具を使って絵を描いています。
今回は、透明水彩絵の具の塗り方を紹介したいと思います。
基本的には自由に塗ったらいいのですが、いろんな技術を知っていると、絵の表現が豊かになり、どんどん描くのが楽しくなってきますよ。
練習すればできる塗り方ばかりなので、是非試してくださいね。
皆さんの水彩画を描く一歩になってもらえればうれしいです。
では、早速始めていきましょう!
水彩画で使う基本の塗り方
水彩画にチャレンジしようと思っている方に、水彩画らしい塗り方を紹介したいと思います。
アクリル絵の具やガッシュ(不透明水彩絵の具)などの絵の具は、絵の具が主体ですが、水彩絵具は主体は水!
水をどうコントロールするかが鍵です^^
ままならないのが面白いところでもあるのですが…
水彩絵の具は薄い色、明るい色から塗っていきます。
透明水彩絵の具の基本の塗り方①【 ウオッシュ( Wash)】
同じ色で、ムラなく均一に塗っていく技法です。
水彩画の基本中の基本の塗り方なので、まずウォッシュをマスターすることから始めてくださいね!
少し太めの丸筆を使うと塗りやすいですよ。
水の量をコントロールすることが大切です。多すぎても、少なすぎても上手く塗れません。
色によってムラができやすい、できにくいがあります。
透明水彩絵の具の塗り方②【 ウエット・イン・ウエット( Wet in Wet) 】
ウォッシュがマスター出来たら、次に覚えたいのがウエット・イン・ウエット。
紙に絵の具を乗せ、絵の具が乾く前に上から絵の具を乗せていくという方法です。
絵の具が混ざりあい、にじみや濃淡が出ます。
簡単に言うとたらし込み技法、にじみです。
水の量を調整するのが難しいですが、慣れてくるととっても味わい深い色合いが出来ます。
にじみや濃淡を活かし、新しいアイデアが浮かんで来ることもありますよ。
まずは基本の塗り方のウォッシュを使い、下絵に色を塗ります。
絵の具が乾く前に違う色を乗せていきます。
ある程度の予測はできても、完全に掌握できない偶然の美しさを表現できます。
透明水彩絵の具の塗り方③【 ウエット・イン・ドライ( Wet in Dry) 】
紙に絵の具を乗せた後、しっかり乾いてから新しい絵の具を乗せる方法です。
簡単に言うと重ね塗りです。
重なった部分が下の色と混ざることはなく層になり、色の深みを出します。
乾かないうちに上から絵の具を乗せてしまうときれいに色が重ならなかったり、色が剥げてしまったりするので、完全に乾かしてから色を塗り重ねてくださいね。
この時に、ドライヤーを使うと便利ですよ。
・同じ色を重ねる
色を塗った後、絵の具が乾いてから、同じ色を重ねます。
重なったところがどんどん濃くなっていきます。
左の色を重ねたほうが濃い色を一度に塗るより、透明感、きめの細かさ、深みが出てきます。
・違う色を重ねる
違う色を塗り重ねるときは、薄い色、明るい色から塗り重ねていきます。
混色とは違い、まるでセロハンを重ねたような色合いになります。
色の重なりで不思議な透明感、深みが表現できますよ。
水彩画で使う一つ上の表現ができる塗り方
基本の塗り方をマスターしたら、次は一つ上の表現ができる塗り方を試してみましょう。
これができるとぐんと表現が広がりますよ!
透明水彩絵の具の塗り方④【 グラデーション(Gradient)】
基本の塗り方ウォッシングはムラなく均一に色を塗っていきますが、グラデーションはムラなく均一にプラスして、色を少しずつ変えて塗っていきます。
慣れるまではムラや、にじみができてしまうこともあるのでしばらくは練習が必要です。
ムラができやすい色、できにくい色があるので自分で探りながら描いていってくださいね。
1色と2色では難易度が変わってきます。平筆か丸筆で描くのがおすすめです。
・単色でグラデーションする
紙の色を生かし、絵の具の濃淡でグラデーションを描いていきます。
単色でグラデーション方が、2色でグラデーションをするより簡単です。
まず単色で練習してみましょう。
暗い色より明るい色でグラデーションをしたほうがムラができにくいです。
途中で絵の具がなくならないよう、水で絵の具を溶いておきます。
濃い色からグラデーションしていきます。
・2色でグラデーションする
複数の色を使いグラデーションしていくときも、単色と同じように途中で絵の具がなくなってしまわないよう、水で溶いておきます。
端から中央に向けて塗っていきます。次に反対側の端からもう一色を中央に向けて塗っていきます。
中央でなじませていきます。
透明水彩絵の具の塗り方⑤【 ドライブラシ(Dry Brush) 】
ドライブラシは、乾いた筆に少量の絵の具を付けて描く方法です。
髪の毛や、草、木の表面、岩など質感を出すのに適しています。
ドライブラシも技術が必要ですが、使えるようになれば表現が広がります。
湿った水彩紙を使うと絵の具が広がってしまいうまく効果が出ません。しっかり乾いた水彩紙を使うようにしてくださいね。
水彩画で使う道具を使った一つ上の表現ができる塗り方
次は道具を使った塗り方の紹介です。
道具を使うことで、筆だけではできなかった表現ができますよ。
身近なもので出来るものもあるので、ぜひ試してくださいね。
透明水彩絵の具の塗り方⑥【 マスキング 】
マスキングは白抜きしたいときに使います。
透明水彩絵の具で絵を描くときは、基本的に白は使いません。
ですので、白い部分を残したいというときにこのマスキングが活躍してくれます。
マスキングを使うと、白抜きしたいところを気にせず、ムラなく絵の具を塗ることができます。
境界線をはっきり出したい。アクセントに白く残したい。というときにおすすめです。
マスキングにはテープとインクの2種類があるので紹介します。
・マスキングテープ
マスキングテープは水平線などを描くときや、絵が枠からはみ出さないよう区切ったり、簡易的な水張りとしても使います。
まっすぐな境界線を作るときにとっても便利です。
・マスキングインク
インクのように液体のマスキングです。
好きな形に白抜きすることができます。筆やつまようじなどで塗っていきます。
マスキングインキがしっかり乾いてから、絵の具で塗っていきます。
塗り終わると優しくマスキングインクをとっていきます。
この時、雑にしてしまうと紙が破れてしまうことがあるので注意が必要です。
私はシュミンケのマスキングインクを使っています。
透明水彩絵の具の塗り方⑦【 リフトオフ(Lift Off) 】
リフトオフとは、スポンジやティッシュなどで色をふき取る技法です。リフティングとも呼ばれます。
まだ乾いていない絵の具を、やさしくふき取っていきます。
明るい部分やハイライト、絵の具を取り除きたいときに使います。
乾いてしまっている場合は、水を含ませ絵の具が溶け出してからリフトアウトします。
水を含ませた筆を使い、細かい部分の絵の具を取り除くこともできます。
ふき取った部分の絵の具がすべて取り除けるわけではありません。
透明水彩絵の具の塗り方⑧【 スパッタリング 】
スパッタリングとは、筆やぼかし網、歯ブラシを使い絵の具を飛ばしてランダムな模様を付ける技法です。
偶然性が高い技法なので、自分の思い通りの模様を付けるのには高い技術が必要です。
力加減や紙までの距離、絵の具の濃さなどで出来る模様が変わってきますよ。
かなり広い範囲に絵の具が飛び落ちるので、絵の具を付けたくない部分を覆ったり、マスキングしてください。
机や周りにも飛び散るので注意してくださいね。
何色かスパッタリングする場合は、前の絵の具が乾いてから次の色でスパッタリングしてください。
そうしないと色が混ざってしまい、きれいにできません。
スパッタリングはやり直しがきかないので、とっても慎重になる塗り方です。
透明水彩絵の具の塗り方⑨【 ソルト技法 】
ソルト技法は、塩の浸透圧の力を使い独特の模様を作り出す方法です。
白く模様ができるので、絵の具は濃い色がおすすめです。
塩は少し細かめのものを使います。
雪の結晶のようで、模様ができる過程も楽しめます。
焦ってドライヤーなどを使ってしまうと、きれいな模様ができにくいので自然乾燥させてくださいね。
まとめ
まとめです。
今回は、透明水彩絵の具で使う9つの塗り方を紹介しました。
基本の塗り方は3つ。
①ウオッシュ、②ウェット・イン・ウェット、③ウエット・イン・ドライ。
この3つをマスターすれば、ある程度の絵は描けるようになると思います。
一つ上の表現をする塗り方は2つ。
④グラデーション、⑤ドライブラシ。
この2つをマスターすれば表現が広がり、絵の完成度がぐんと上がること間違いなしです。
そして、道具を使った一つ上の表現ができる塗り方は4つ。
⑥マスキング、⑦リフトオフ、⑧スパッタリング、⑨ソルト技法でした。
道具が要りますが、水彩画を描いていくうちに欲しくなっていく塗り方です。
この技術を知ってから、表現の幅がぐんと広がりました!
塗り方によってさまざまな表現ができるので、魅力的な絵になること間違いなしです^^
水の量や、力加減が難しく練習は必要ですが、うまくいった時の感動はひとしおです。
ぜひチャレンジしてみてください。
自分のスタイルに合った塗り方を見つけて、水彩画を楽しんでくださいね。
以上、水彩画を描く人kozueでした。
また別の記事でお会いしましょう。